
(2006/08/11撮影)
ヒオウギ
Belamcanda chinensis です。
昨年の夏の終わりに、明日香の産直市の花苗コーナーで求めました。
てっきり、背丈の低いダルマヒオウギだと思っていたのですが、今年に入り2芽伸びてきたものは図体が大きく、花の茎があがるとヒョロヒョロとのびて60センチほどになり倒伏してしまいました。

(2006/08/11撮影)
派手な花色は好き嫌いがあるかもしれません。でも私は、ノウゼンカズラに通ずるようなところがあって気に入っています。

(2006/08/13撮影)
花後は花弁がらせん状にねじれるようです。おもしろいなぁと思って写真に撮りました。
ヒオウギはずっと以前から欲しかったのですが、そのきっかけは30年近く前に発表されたさだまさしの歌です。
「まほろば」という曲に、万葉集の歌を下敷きにした歌詞があります。
歌詞の方は載せられないので元になった歌を下に書きます。
居明かして 君をば待たむ ぬばたまの 我が黒髪に 霜は降るとも
これは仁徳天皇の皇后である磐媛(いわのひめ)の歌とされています。
「ぬばたま」というのは枕詞で「夜」「黒」などの言葉にかかる…というのは古典の授業のようですが、その「ぬばたま」がヒオウギの種子…というのもいまさらくどくどしく書くのも変ですね。
私は「まほろば」という歌がすごく好きで、発表の前の年に修学旅行で奈良を訪れてとても好きになり、発表の年には思いがけず奈良に住むことになって、とても因縁を感じていました。
歌に出てきた飛火野や馬酔木の森を歩きたくて、片道2時間半もかけて奈良へ行き散策したりもしました。
後にすぐ近くの大学に通い、今住んでいるところもまた磐媛の出身氏族の名のついたところで、さだまさしへの熱は冷めてもやはり「まほろば」が好きで、だから黒髪のように黒いぬばたまも手元で見てみたいなとずっと思ってきました。
今はまだ実は青いさく果なので、ぬばたまが現れたらこちらで紹介したいと思います。