ネコブセンチュウのこと 2

「センチュウ おもしろ生態とかしこい防ぎ方」三枝敏郎 農文協
を読んで、ネコブセンチュウの生活環について初めて知りました。

ネコブセンチュウの雌は一度に何百という卵を卵のうに包んだ形で産むそうです。
冬越しをした卵は春に孵って、第一期の幼虫は卵のうの中で過ごしますが、第二期になると土の中をゆっくり泳ぎまわり寄生する先の植物の根に侵入するそうです。
第三期と第四期を根から養分を吸いながら育ち、成虫になります。
成虫になったネコブセンチュウの雌は単為生殖でどんどん卵を産みます。
この1サイクルを経過するのにだいたい30〜60日かかるそうです。
25℃くらいが生育適温なので暑い季節は生育が鈍りますが春から秋にかけて地方によっては4世代を送ることもあるということです。
何の防除もしないままなら、春先に鉢の中に存在したいくつかの卵があったとすると、晩秋には大変な被害になるだろう…と想像できます。

もうひとつ初めて知ってびっくりしたのがネコブセンチュウの形についてでした。

園芸の本で見たのだったか、私が見たことのあるネコブセンチュウの姿は、顕微鏡写真らしきもので、回虫のような糸くずに似たモノでした。

確かに、ネコブセンチュウが卵から生まれてしばらくはそういう形ではあるようなのですが、成虫になると必ずしもそういう形ではないということが書いてありました。

本に載っていた図を真似して描いてみた、植物の根に寄生するネコブセンチュウの雌と卵のうの図を載せます。

nekobu.jpg

ネコブセンチュウの雌はレモンのような寸太の紡錘形をしています。
植物の根の中に、「巨大細胞」という、自分が養分を吸い取るのに都合のいい細胞を作らせて、そこから栄養を得ながら産卵をするのだそうです。

ネコブセンチュウの雌と卵のうは肉眼で見える、とこの本に書いてありましたので、庭仕事の時に特に注意して観察してみました。
わかりにくい写真ですがいくつか写真が撮れましたので以下にUPします。

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↑(上下とも)日本桜草の根についているネコブセンチュウの卵のう。

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↑日本桜草の根こぶ部分から見えているネコブセンチュウの雌。

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↑上の画像のクローズアップ。

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↑上の根こぶ部分から搾り出したネコブセンチュウの雌。

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↑上のクローズアップ。

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↑雪割草の根についたネコブセンチュウの卵のう。

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↑雪割草の根を削ったら現れたネコブセンチュウの雌。

(以降、別記事に続きます。)
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ネコブセンチュウのこと 1

ネコブセンチュウの被害にものすごく困っています。

雪割草にはもう5年以上、植え替え時には必ず、余力のあるときには梅雨入り前の鉢のあらための時に、バイデートを使ってきました。
それでも、鉢によっては3年くらいバイデートを使わないものもあったりするし、また実生用のプランターにはこれまで使わずにきたので、何年か植え替えをしなかった鉢や、実生のポット上げをしたときに、かなりひどいネコブ状態の株に遭遇するのです。

夫のイカリソウや日本桜草にもネコブセンチュウの被害がしばしば見つかります。
これらはバイデートを使っていません。
桜草は毎年根が更新されるのでまだ被害は甚大ではありませんが、イカリソウは根が細かいので植え替え時にコブを取りきれないこともあり、植え替えも毎年はできませんので、鉢から出してみると状態がひどく廃棄せざるを得ないものもあります。

バイデートをきっちり使うことで防げるはずのものなのですが、一昨年くらいからどうも、バイデートにより、かなりひどい咽喉の痛みと頭痛が起こるようになりました。
もちろん手には手袋、口には農薬用のマスクで完全装備をして、散布の後はすぐさまうがいをしているのですが…
バイデートを使う頻度を少なくすると結局防除が不完全になり、ネコブセンチュウ罹患株が増えてバイデート使用量が増す、という悪循環です。

バイデートに代わる防除方法があればいいのに、と思っていたところ、ヤフオクに「ネマヒトン」という薬が出ているのを見ました。
調べてみると「生物農薬」というもののようです。

効果があるものなら使ってみたいとも思うけれどもよくわからないし、普通に園芸店などで手に入れられない薬のようで少し引っかかりもあり…

思案している時にいつも通う図書館でこんな本を見つけました。

「センチュウ おもしろ生態とかしこい防ぎ方」三枝敏郎 農文協

センチュウ、センチュウと目の敵にしているけれど、姿も見たことがないしどんな生態なのかも知らない。やっつけるには敵を知らないと…と、この本を借りて読んでみました。

大変興味深い本でした。

現在正式に記載されているセンチュウの種類数は地球上の動物120万種のうちの1%にも満たないのだそうですが、それはまだ見出されていない種が膨大にあるからで、多くの研究者の推定ではセンチュウ類だけで100万種以上はあるだろうということでした。
そして、その100万種のうち、植物に被害を与えるタイプは1万5000種ほどで、97万種は生きた動植物には寄生しない自活センチュウなのだそうです。
土壌の中の自活センチュウは土を団粒化する働きを持っていて、自活センチュウが多い土は有機質が多くさまざまな微生物が住むよい土だそうです。
微生物の多い土は、ネコブセンチュウのような植物寄生性のセンチュウを食べる食肉性のセンチュウやカビ、細菌なども豊富で、ネコブセンチュウが住んでいても植物がひどい被害を受けることが少ないのだそうです。

この本を読んで思い当たることがありました。

以前にこの記事にも書いたのですが引用してみます。

ただ、栽培をしていると「果たしてそれでよいのか」と思われるようなことも出てきます。
たとえば、こぼれダネでフシグロセンノウの鉢に発芽した雪割草がありましたが、この鉢がもう7年くらい植え替えをしていない、腐葉土と崩れた赤玉土でぐちゃぐちゃのいかにも雑菌だらけのような用土であったにもかかわらず、実に元気に生育して今年6年苗になり、植え替えしてみたところ3つほどネコブがあっただけで根が実に健全でした。もちろんバイデートも消毒もしていません。
この鉢にはフシグロセンノウ以外にもスミレやイネ科雑草、タカサゴユリの球根やネジバナなど居候だらけの雑居状態でした。
多分、さまざまな植物が生えることで土の中の菌たちのバランスが取れていてネコブもひどくならず、病害も寄せ付けなかったのだろうと思います。
また、元気そうだからと植え替えをサボって表土にコケ類が生えているような株を、しばらくぶりに植え替えてみた時に、その根が大変健康だったりします。これも用土が汚れているようでいて実は、雪割草に居心地の良い環境になっていたということだと思います。


とは言え、雪割草は、特に銘のある株を維持したり交配を楽しむなら、一株ごと鉢で育てることが前提で、その鉢の中で多様な生物叢を保つのは難しいもの。
健全に育てるのにはどんな方法をとればいいのか。

(以降、別記事に続きます。)
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斑入りアキギリ

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庭の東側のガーデンラックの下段にずっと置きっぱなしだった斑入りのアキギリですが、毎年葉枯れをして花も満足につかないので、ウチには合わないのかなぁと思っていました。

イカリソウの置き場がなくなったので、レンガで造った花壇を小さくしようと1年かけてまだ完成していないのですが、その間アキギリを置いていたガーデンラックが邪魔なので移動して、アキギリはイカリソウの鉢の隙間に置いていました。

ついでに植え替えて、ちょっと腐食質が多めの土に変えたところ、徒長気味ではありますが今年はこんなにきれいに咲いてくれました。

101110a.jpg
なんとも言えないきれいな紫。

ほったらかしだと植物が何を求めているのか聞いてあげられないですね。書を棄てよ庭に出よう、ですね。
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実は図書館で借りただけでまだ買ってないのですがこれをひとりの方が書かれたというのがスゴイです。

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ものすごくマニアックなものでなければこの1冊で山野草栽培はOKという感じです。