12.羊と鋼の森 宮下奈都 △
書評がよかったし映画化もされるというので読んでみた。
調律によって整えられるピアノの音を故郷の森になぞらえて表現する文章は美しい。物語的にはただただ静かで心の上っ面をただ滑っていくみたいな感じで、私にはあまり向いていない小説だったのかな。

13.掟上今日子の備忘録 西尾維新 △
ネット動画でドラマは見たんだけど、何となく借りてみた。
ドラマの原作になったお話ばかりだったので、結末わかってる状態で読んでもこういうのはダメだね。

14.望み 雫井秀介 〇
雫井秀介の本は私的にはハズレがない。この本もよかった。
急に夜遊びをするようになった長男が行方不明になり、しばらくしてその友達の少年が遺体となって発見される。犯人らしき少年2人が逃亡するのが目撃され、長男がその一人と目されマスコミに家を取り囲まれる家族。
逃亡中の少年が仲間に語った「2人殺してしまった」という言葉がネットに現れ、両親はわが子が加害者なのか、被害者なのか、2つの考えの中で揺れ動く。
この本を、2年前までに読んでいたら私はこの本から大して何も受け取らないままに読み終えてしまったかもしれない。
誰かの生を自分の腕に抱えて生きるということは、その生に「正しくあれ」と願うだけでなく、「たとえ正しくなくともただただ生きていてほしい」という望みを持つものなのだということが、今の私にはわかる。

15.コンビニ人間 村田沙耶香 △〇
芥川賞だから、と言って、さあ読んでみよう、とは思わない、むしろ、みんながこぞって読むような本はなんかイヤ、みたいなアマンジャクなので、図書館の「今日返ってきた本」のコーナーでたまたま見かけたのでなければ借りなかったのだけれど、とても面白く読んだ。
この主人公の恵子さんのように、生きづらい人間社会で周りの人間に擬態して何とか生きていく方法をとる、なんてことを、マジョリティには理解できるものなのだろうか?この小説が芥川賞を取ったということは、世の中の人たちの少なくない人が、マジョリティに擬態した〇〇人間だからじゃないのか、なんてちょっと思えた。